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加道 雅孝; 石野 雅彦; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
高輝度X線は生きている生物試料を観察するためのX線顕微鏡の光源として非常に有用である。特に、水の窓と呼ばれる波長2.3nm-4.4nmの領域においてX線光量を向上することはX線顕微鏡用の光源として利用するために重要な課題である。我々は、ターゲットによって吸収されたレーザーのエネルギーがターゲット内部に拡散することによるエネルギーの損失を抑え、効率的にターゲットを加熱できる極薄膜ターゲットを考案した。厚さ10nm-50mの様々な厚さの金薄膜ターゲットを波長1.053m、パルス幅600ps、出力20JのNd:glassレーザーによって照射し、発生した軟X線を軟X線分光器と軟X線プラズマカメラにより計測した。その結果、ターゲットの厚さが薄くなるほどX線強度が増加し、ターゲットの厚さが20nmの時に最大の強度が得られることがわかった。金の極薄膜ターゲットから発生した軟X線を用いて生きている細胞の観察を行った結果、細胞内の詳細な構造の観察に成功した。
加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
密着型軟X線顕微鏡と高輝度レーザープラズマ軟X線源を組み合わせ、生きている細胞の瞬時撮像を実現した。高強度レーザーにより生成したレーザープラズマ軟X線源は非常に高輝度で短パルスという特徴を持ち、生きている細胞を瞬時に撮像することにより放射線による細胞への損傷を抑制することが可能である。我々は、蛍光顕微鏡を併用することにより軟X線顕微鏡によって撮像した細胞内器官を正確に特定する手法の開発にも成功した。この手法により、X線感光材上に直接培養した細胞を軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同時に撮像でき、取得した細胞の軟X線像と蛍光像を直接比較することによりミトコンドリアやアクチンフィラメント、クロマチンなどの細胞内器官を明確に特定可能である。軟X線顕微鏡は蛍光顕微鏡に比べて高い解像度を有する一方、撮像した細胞内構造の特定が困難であるという問題があったが、この手法の開発により、これまで不可能であった生きている細胞内の正確に特定された細胞内器官の構造をより詳細に観察可能となった。